2024年8月2日から9日まで、マレーシアのクアラルンプール市またはその近郊において、第3回日本マレーシア文化交流プログラムを開催しました。14人の日本人学生(高校生10人と大学生4人)と10組のホストファミリーが同プログラムに参加しました。この文化交流プログラムは、マレーシアを事例に、イスラームが現代社会とどのように融合されているのかを学ぶプログラムです。第1・2日目は、イスラーム美術館でイスラーム五行の第1の行であるシャハーダ(信仰告白)の意味について学びました。またキャンプを通じてムスリムがお互いに知り合いになることとチームワークの重要性を学びました。チームワークとは集団行動するときに個人が自分勝手に動くとチーム全体に影響を与えるという意味です。イスラーム史のウフドの戦いでは、ある一部の人たちが預言者の命令に従わなったので、ムスリム共同体全員を命の危険に晒しました。
第3日目は、マラヤ大学にてイスラーム第2の行である礼拝をするために、礼拝の方角と時間を知るための知識を学びました。それらは「天文学」という一定の科学法則から引き出されます。イスラーム文明と西洋文明を融合した建築の最高峰がISTACの建築です。スペイン南部のアンダルシア地方は、8世紀初めから約800年にわたりムスリムが支配してきました。なかでもグラナダは、スペイン最後のイスラム王朝のナスル朝の首都として栄えたため、ヨーロッパ圏でありながら今でもイスラームの香りがただよう場所です。アルハンブラ宮殿を筆頭に、町のいたるところにイスラームの歴史を感じさせるスポットが現在も点在しています。
第4日目は、チキン工場でハラールについて学びました。ハラールは信仰でありながら科学でもありビジネスでもあります。またマスジド・スンダヤンでイスラーム建築学、礼拝やお清めの心と作法の要点を学びました。ある個人の実業家がマスジドを建立するというビジネスと寄進の精神との関連について学びました。イスラームが現代社会とどのように融合されているのかについて学ぶ理由は、現代人であってもアッラーに近づくことで、アッラーに願いを叶えてほしいからです。そのためにアッラーが喜ぶことをします。アッラーが喜ばないこと(禁止事項:ハラーム)を避けます。
第5日目は、マラヤ大学予備教育部日本留学特別コース(AAJ)で学ぶマレーシア人学生との交流をしました。お互いに知り合いになるというクルアーン49章13節の精神に基づいています。交流会なので、これまでのようにマレーシアのことを学ぶだけでなく、日本人学生が日本の情報や日本語をマレーシア人学生に発信する番になりました。役に立つ知識の共有はサダカ(慈善)になります。人の役に立つことをするというのはアッラーが喜ぶことだからです。また午後はPERTIWI Soup Kitchenを訪問しました。このNGOはクアラルンプール市役所 (DBKL) などと連携して、毎月18,000食の昼食と夕食をホームレスや貧困者に提供しています。日本人学生は夕食200食を準備して、貧しい人たちに配布しました。これもまたサダカになりました。
第6日目は、国際イスラーム大学にて学生は今後の進路・やりたいことを発見しました。今後の進路を考えるとき、学生が「ムスリム」として学業を成し、「ムスリム」のプロフェッショナルとして生きていくことが重要です。なぜなら私たちは死んで終わりではなく、来世で天国に入るという目標があるからです。地獄を避けなければならないからです。例えば、将来、医師、弁護士、ITエンジニア、建築家になるなど、これらはノンムスリムでもできます。みなさんはムスリム医師、ムスリム弁護士、ムスリムエンジニア、ムスリム建築家になるのです。つまり医学、法学、工学などを学ぶことは手段です。医師、弁護士、エンジニアになることも手段です。目的は何か?それはイスラームをすること、アッラーに従うことです。だから例えば、医師、弁護士、エンジニアになってもアッラーに礼拝を捧げていなければ、五行を実践していなければ現世だけの成功で終わるわけです。アッラーに従う医師、弁護士、エンジニアになることが来世の成功において重要だということです。クルアーン6章29-32節でアッラーは言います。「29.かれら(非信者)は言います。この世の生活があるだけで、復活することはありませんと。30.あなたはかれらが自らの主と向かい合って立たされるのを見るでしょう。かれは言います。これは真理ではないか。かれらは言います。はい、わたしたちの主にかけて。かれは言います。あなた方は信仰を拒否してきたので、苦痛を味わいなさい。31.アッラーとの面会を嘘であるとする人こそ、失敗者です。その(最後の日の)時が突然来ると、かれらは言います。ああ、わたしたちはそのこと(面会)に注意を払いませんでした。かれらは自らの背に重荷を負うでしょう。かれらが負うものの何と悪いことか。32.現世の生活は、遊びや戯れにすぎません。しかし(アッラーを)意識する人には、来世の住まいが最善です。あなた方は理解しないのですか」