クルアーン5章32節によると「このとき以来、われら(アッラー)はイスラーイールの子孫のために書き記しました。人を殺し地上に腐敗を広めたという理由なく、人ひとりを殺す者は、全人類を殺したのに等しい、また人ひとりの命を救う者は、全人類の命を救ったのに等しいと。そして確かにわれらの使徒たちは、かれらに明らかな証拠を持って来ました。でもかれらの多くは、その後も地上において過剰なことをしています」とあります。また2章11-12節には「地上に悪をはびこらせてはならないと言われると、かれらは、わたしたちは正しているだけだと言います。いいえ、本当にかれらこそ、悪をもたらす人たちです。でもかれらは気づいていません」とあります。国連によると現在4万7,000人のパレスチナ人難民が、このたびの紛争で家を失っています。ガザの保健省によると、イスラエル軍の空爆により、子供63人、女性36人を含む少なくとも219人が死亡しました。またイスラエル側では12人が死亡しています。ガザでは450人の子どもたちがイスラエル軍の砲撃によって負傷しました。国際NGOによると、イスラエルの空爆により、これまでガザ全域で50の学校が被害を受け、何千人ものパレスチナ人の子供たちが教育を受けられない状態になっています。これは、まさに「地上における腐敗(ファサード・フィルアルドゥ)」です。なぜこのようなことが起こるのでしょうか?パレスチナ問題は過去70年以上も続いているけれど、なぜ今になって武力衝突が再開されたのか。半年前ではなく、3ヶ月前でもなく、なぜ今なのか?アラブ政治を専門とする東京大学や千葉大学の教授は、今日の状況をこう分析します。それは、イスラエルとパレスチナ自治区における選挙の影響です。イスラエル首相は、2021年3月末の国政選挙で過半数の支持を獲得できませんでした。彼は何かしなければならない。対パレスチナ強行姿勢をアピールすることで、支持率を上げようとする方法は政治的な常套手段です。実は本来であれば明日5月22日は、パレスチナ自治区における過去15年間で初めての総選挙の日でした。しかし、この紛争のために延期されました。選挙を延期して得をするのは誰か。この紛争の原因が「政治的な目的」であることは明らかだと分析しています。つまり政治的に子供たちは殺され女性たちも殺されているわけです。これは正義のある状態とは言えません。クルアーンは言っています。「このクルアーンがわたし(ムハンマド)に啓示されたのは、あなた方、そして届く限りの人びとに、それ(クルアーン)によって警告するためです」(6:19)ではクルアーンの警告とは何か? 一言で言えば、それは「アッラーを信仰することを拒否するなら、あなたの人生は大損・破滅する」です。「虚偽を信じてアッラーを拒否する人びとは損失者なのです」(29:52)「時間にかけて。人間は、確かに破滅の途次にあります。ただし、信仰し善行に努め、互いに真理を勧めあい、また忍耐を勧めあう者たちを除いては」(103:1-3)「だが誰でも、背を向けて信仰を拒否するなら、アッラーは最大の苦痛で苦しめます」(88:23-24)「アッラーは信仰を拒んで不正する人たちを決して赦さず、また(正しい)道に導きません。ただ地獄への道の他になく、永遠にその中に住むのです。(そうすることは)アッラーにとっては、本当にたやすいことなのです」(4:168-169)と厳しいです。アッラーが私たちの罪を許してくださいますように。世界中で不正の犠牲になっている人たちを助けてください。そして世界から腐敗がなくなるよう私たちの信仰を強くしてください。問題解決の英知を与えてください。この世とあの世において良いものを与えてください。そして地獄の苦痛から私たちを遠ざけてください。