メッカ巡礼の儀式は、ズー・アルヒッジャ月の8日(2021年7月18日)から同月12日または13日までの5〜6日間にわたって行なわれます。メッカ巡礼は、イスラーム5行の1つで、身体的・経済的に可能なすべての成人ムスリムに義務づけられた一生に一度の信仰行為です。巡礼は共同体的な崇拝行為です。イフラーム(禁忌ある)状態で、一連の儀式を完了することで、すべての人類がアッラーに帰る日が来ること、彼の目前で審判を受けることを思い出させてくれるのです。アッラーは、クルアーン22章27節で、「人びとに、巡礼するよう呼びかけなさい」と言っています。アッラーは22章28節で続けて次のように述べている。「それはかれらが自らのご利益に預かり、かれがかれらに糧として与えた家畜に対して、定められた日々に、アッラーの御名を唱える(犠牲の)ためです」と。ご利益とは、現世と来世の両方の恩恵です。人々は、巡礼に伴う商売や取引から利益を得る一方で、来世でのアッラーの報奨を獲得するのです。