センター設立の経緯について

CICCのはじまりは1994年に遡ります。千葉大学のムスリム留学生のイスラーム文化研究サークル活動から始まりました。学生らはイスラームの礼拝・文化・研究 の場としてサークルを作りましたが、毎週集合するための部屋を度々予約することが難しかったので、 2011年に千葉大学のサークルを解散してNPO法人を設立しました。それから、彼らは大学の近くに本部を作ろうとしましたが、賃貸借契約の更新により3回も移転してしまうことがあったため、建物を購入することにしました。現在の建物は2016年に寄付によって購入したものです。JR西千葉駅千葉大学方面出口から徒歩1分の場所に位置している5階建ての建物は、千葉市に住むムスリムたちの拠点施設です。マスジド(礼拝堂)はもちろん、他にもオフィスやセミナー室、ハラール認証された簡易なハラール食料品店も揃っています。この店は一般の方でも利用できます。5階には、当センターとは別組織である「日本アジアハラー ル協会」のオフィスが入っています。信者向けの活動以外に、企業等に向けてムスリムフレンドリー対応(飲食店やホテル、食品や化粧品のハラール認証はNAHAが担当)の相談も行なっています。また、イスラームについての情報を日本語と英語で無料提供しています。クルアーンの和訳やイスラームに対する誤解を解くためのパンフレットなど、様々な資料があります。

メンバーの構成及びその交流

千葉大学の留学生が多く、出身国・地域でいうとインドネシア人が特に多いです。ただし、パキスタン人やバングラデシュ人、マレーシア人やアラブ諸国やアフリカの人々など、様々な方がいます。また留学生が多くいるので英語でコミュニケーションをとることが多いですが、中国から来たウイ グル人のように英語より日本語の方が伝わる方もいるため、両方を使うこともあります。

イスラームと日本文化の共通点

文化によって「宗教」というものの意味、日常生活における重要性などが異なります。一方、日本ではイスラームやムスリムに恐怖を感じる方は少なくありません。そこで、日本社会とイスラームとの共通点を知って欲しいと思います。まず、イスラームという言葉の語源はアラビア語の「サラーム」と関係があり、これは「平和」という意味です。つまり、イスラームの土台は和(兄弟愛)をもって納得いくまで論議することだと考えられます。日本的には「和を以て貴しと為す」でしょう。その結果、規範やルールが出来上がり、それに従うことで「平和」が得られるのです。

地域社会に関わること

ルールを守る精神が共通しているとは言え、ムスリムと非ムスリムでは従うべきルールの内容の優先度が異なるため、問題が起こることもあります。たとえば、CICCではありませんが、他のモスクでは、金曜日の集合礼拝の際、路上駐車についての苦情が届くことがあるそうです。マスジド管理者が信者に説明し続けていても、長年にわたって身についた習慣をすぐに変えることができず、自治会の方々とのすれ違いが続いています。一方で、マスジドの方々が地域活動に参加することで相互理解を深めている事例もあります。2016年 に、千葉市稲毛区山王町に位置する「千葉(四街道)モスク」は自分たちで防犯パトロール隊を発足し、地域活動に参加することで徐々に相互理解を深めています。このニュースはドイツのメディアでも話題になりました。その理由は、ドイツでも増え続けるムスリム移民や難民への対応・支援に取り組んでいるからです。誰よりも地域の人や自治会がその近くに住んでいるムスリムたちの日常生活に大きな影響を与えるので、CICCでも似たような地域活動を行ないたいと考えています。

なお、CICCは当初から千葉大学と関連が深いので、今も大学との連携を行なっています。例えば、毎年数十人の学部生がセンターを訪問し、イスラームのことを勉強しましています。また、イスラームの基礎を紹介する一般向けのセミナーも行なっています。さらには、日本に暮らすムスリムから、従来いくつかあるクルアーンの和訳を読んでも、「表現が古くて硬くて分かりづらい」という声がしばしば届いたので、共同で2年かけて翻訳し、2019年には『クルアーン やさしい和訳』を出版しました。従来のクルアーンの和訳は既に学校の図書館等にありますが、最新の和訳を希望する方は千葉イスラーム文化センターにお問い合わせしてください。 無料で配布しています。