マレーシアのハラール認証50周年記念式典

2024年9月18日、クアラルンプールのグランド・ハイヤットホテルにて開催されたグローバルハラールサミット(THE GLOBAL HALAL SUMMIT:GHaS) 2024・第14回ハラール認証機関会議(HCBC)に参加しました。アンワル・イブラヒーム首相が推進する「マレーシア・マダニ」(マレーシア・イスラーム文明)政策実現の一環として、マレーシア・イスラーム開発局(JAKIM)が主催しました。

マレーシアのアフマド・ザヒド副首相による「ハラール認証50周年記念式典」のあいさつ

第14回ハラール認証機関会議(HCBC)

アッラーへの感謝と祈願をした後、シラジュッディンJAKIM副長官から開式のあいさつがありました。最初の女性長官となったハキマJAKIM長官からのビデオメッセージがあり、マレーシアのハラール認証制度とハラール産業の認知度を向上させること、そのために世界中のハラール認証機関の献身と協力を求めました。

シラジュッディンJAKIM副長官の開式あいさつ
ハキマJAKIM長官からのビデオメッセージ

「ハラールのフロンティアを導く:ハラール認証管理における卓越性の実現」としてモハマド・ザムリ氏(マレーシア・ハラール評議会事務局ディレクター)から発表がありました。2024年5月20日時点、JAKIMは世界49カ国から88のハラール認証機関を認証していること、世界14カ国から111の屠畜場がマレーシア獣医局によって認証されているとの報告があった。その上で、マレーシア・ハラールの「卓越性」の基準として、1)ハラール認証、2)トレーニングと専門知識、3)ハラール認証機関の認定、4)ハラール基準、5)ハラール研究所、6)イスラーム諸国規格研究所(SMIIC)理事会メンバーを挙げた。JAKIMは2024年8月時点で世界13,934人のハラール監査員の育成に貢献しました。JAKIMは2024年8月時点で世界13,934人のハラール監査員の育成に貢献しました。

次に、イスラーム協力機構(OIC)イスラーム諸国規格研究所(SMIIC)から世界統一ハラール認証基準の確立に向けた取り組みと課題について発表がありました。SMIICメンバーになれるのはOIC加盟国で、現在47ヵ国がメンバーになっています。つまり各国で若干異なるハラール認証基準を、どのようにまとめ上げるかという大きな課題があります。様々な議論や試行錯誤を経て、現在のSMIICの取り組みは、1つのハラール世界基準を設定するのではなく、1つのプラットフォーム(ハラール認定機関のためのイスラームフォーラム Islamic Forum for Halal Accreditation Bodies:IFHAB)を形成して、そこが各国のハラール認定機関が互いのハラール認定基準を認め合う方向へと移行しています。プラットフォームには食品、化粧品、医薬品、医療器具、サービス、再生可能エネルギー、観光、農業製品、交通、皮革、サプライチェーン、管理システム、宝石、石油関連製品、手工芸品の部会があり、世界の統一基準構築に向けて議論を継続しています。これらの部会を通じて、これまで57の基準が合意に至り発行されました。

「ハラール認証がイスラーム観光を促進する」というテーマで、マレーシア・イスラーム観光センターから発表がありました。ムスリム観光客を取り込む作戦として、「ムスリムフレンドリー観光」を促進する有効性を強調しました。礼拝場所とハラール食事の確保だけではなく、ホテル、宿泊所、ショッピングセンター、娯楽、交通のハラール性についても考慮すべきとの指摘がありました。

ジュッディンJAKIM副長官と一緒に
イタリアのハラール認証機関の参加者と一緒に
日本ムスリム協会遠藤会長(右)とマレーシア在住の木村さん(中央)一緒に
香港(左)と韓国(中央)のハラール認証機関の参加者と一緒に
台湾のハラール認証機関の参加者と一緒に
上海のハラール認証機関の参加者と一緒に
ロシア・タタールスタン共和国の参加者(右)と一緒に

会議での主な発表は以下の通り

ハラールの重要成分

①「ハラール認証における重要なハラール成分: 徹底分析」
マレーシアイスラーム開発局(JAKIM)
ハラール管理部門アシスタントディレクター
モハメド・サフザン・モハメド・ムクター

②「ハラールサプライチェーンの舵取りをする: 重要なハラール成分に焦点を当てながら」
マレーシア製造業者連盟(FMM)
ハラール委員会メンバー
ナスル・ハディ・モハメド・ノール

③「ハラールの重要成分を使用した新しい食品: シャリーア問題に関する新たな発見研究」
マレーシア国際イスラーム大学
国際ハラール研究研修機構(INHART)
社会科学および人文科学部門長
モハメド・アイザット・ビン・ジャマルディン准教授

屠畜

「ハラール屠畜技術と現在の問題を探る」
マレーシア・プトラ大学(UPM)
ハラール製品研究所(HPRI)ディレクター
アウィス・クルニ・ビン・サジリ教授

「マレーシアのハラール食肉および鶏肉生産に関する議定書に基づく屠畜工場に対するマレーシアのハラール要件を理解する」
内務省(KDN)
首席次官補(クルアーン・ハディース規制)
イザム・ビン・パディル

医薬品および化粧品

①「マレーシアの規制慣行」
国立医薬品規制庁(NPRA)
上級主席アシスタントディレクター
ニック・シャムシア・ビンティ・ニック・サレー

②「ハラールワクチン:開発、製造、ベストプラクティス」
サイバージャヤ大学ハラール科学センター(CUCMS)助教授
スライヤ・ビンティ・アブドゥル・ラーマン

③「ハラールコンプライアンスのベストプラクティス:化粧品業界の共有」
マレーシア化粧品・トイレタリー・フレグランス協会(CTFA)アジア太平洋地域グローバル規制業務上級ディレクター
ハミダ・ミンハジ

医療機器

「医療機器産業におけるハラールコンプライアンスの確保」
マレーシア医療機器製造者協会(PERANTIM)会長
ジョハリ・ビン・アブ・カシム

「医療機器のハラール認証: 課題と機会」
マレーシアイスラーム開発省(JAKIM)
マレーシアハラール評議会事務局上級アシスタントディレクター
ジョハリ・ビン・アブ・ラティフ

「ハラール医療機器の理解 – MS 2636:2019」
医療機器庁(MDA)
シニアアシスタントディレクター
アミール・アズファル・ビン・ミスコン

スキマ時間で学ぶ大人のイスラーム講座:

申請フォームはこちら☞

https://forms.gle/jA4sKzTaJbhz4K637